人間ドック前日の悪あがきはやめましょう

「明日は人間ドックだから、夕食も抜いて少しでもコレステロールや血糖値を良くしよう」、「明日の検査に備えてたっぷりとランニングしよう」などと、前日や当日に悪あがきをする人は約7割以上いるという調査結果があります。しかし、健康診断や人間ドックなどで検査を受けるのは、日頃の状態を調べて改善方法を考える事が目的です。また、検査データーを直すのではなく、ご自分の体を治す事が大切ですので、このような悪あがきは何の得にもなりません。あまりに長時間絶食すると、逆に低血糖となる事もありますし、前日に激しい運動をするとLDHやCK、AST(GOT)などの数値が上昇することもあります。

そのため病気ではないのに、何らかの病気を疑われて精密検査となる可能性もあります。また、ランニングをしてから病院に直行される方もいますが、検診着の下のTシャツや胸が汗で濡れていたため、胸のレントゲンが肺に水があるように写ることもあります。そして、HbA1cの値は過去1ヶ月から2ヶ月の平均値なので、前日だけ節制しても数値が良くなったりは、しません。中性脂肪や悪玉コレステロールも同様です。

今まで数値が高かった人が基準値内になるには、2週間なり1ヶ月なりの時間が必要で、1日だけ徹底的に節制したところで、たいした変化は見られません。しんどい思いをするだけ損と言えます。悪あがきは、しょせん悪あがきに過ぎません。無駄なことはしないで、日頃の状態をチェックしてもらいましょう。

良くない結果が出た時は、今までの生活を反省して改善すれば良いのです。それが人間ドックの目的ですから、そのことをしっかりと認識しましょう。そして、直すのは検査データではなく、ご自身の体だということを、今一度改めて認識しましょう。

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